石垣が積めない庭師!
昔、某建築雑誌の取材があって掲載されたとき、私の肩書きはなぜか庭師になっていた。
「何でも屋とか百姓はどうですか」と取材の時話したら
記者の方は「ううん・・・・」
で・・・ありゃりゃん.........庭師。
私はこの言葉があまり好きではない。実際に庭師でもないし、
百姓だし........。
さて本題
現代の多くの庭師は老若問わず石垣の空積みができない。不思議です。
一番の基本なのに。
いつからこうなったんだろう。
セメントがどーんと普及した戦後か!
そりゃ名庭である京○の○○○宮の「たたき」でさえセメント混ぜてんだから
伝統も何もね。どうだろう>
伝統工法を使わず伝統を守るという現代の庭師。
どうかしてこうなったのか?
薬師寺五重塔の再建に大工の西岡棟梁はそんなことしただろうか?
はい脱線復旧っ!
空積みはセメントなどの接合材をつかわない素の積み方。
基本中の基本だが
今はまず習わない。
ほぼ、先生もいない。
だからセメント使って積む、貼る。
セメント使って積んだら、石垣じゃないタイルと同じだ。(このことについてこの庭ブロのある方のHPを見たら面白く書いてました。もし、ご本人の了解が得られたら紹介します)
中学校の物理で習う力のつりあいを無視した方法でしかない。(物理は高校か?でも基本は中学で習うよな)
上の力のつりあいの意味が理解できれば、同じセメント使って積んでもブロックやレンガは石とは違うのが判るんだけど。
今の多くの庭師にとって背丈ほどの石垣なんてとんでもない。
もしやるとしても、石を隅切して、すき間が余りないようにして
つまり切り込みで、垂直若しくはそれに近い角度で積むのがほとんどだ。
それでも高く積めば崩れやすい。
時間と費用がとてつもなくかかる上に、
隙間の無い石垣なんて、野趣溢れる庭にはならない。
野趣ある庭には打ち込みか野面だろうね!
似合わないものを無理にお客様に薦めないほうがいい!
まともに石垣を積めるのは一部の石工や百姓だけ!
どうしてなんだろう!
石をどーんと置きました。
ああ、枯山水か.......。
和風シンプルモダン?
石を細かく庭に貼りました。
でも 、判っているタイル屋さんなら、庭師の貴方みたいに通目にせずあなたより美麗に貼れます。判っていないタイル屋さんは貼れませんけど。
なになに、「俺は○都で庭造りを....お前ぇみたいな百姓とはレベルが」
そうですね。そう言わずに、もし興味があるんなら弊社に勉強に来ればどうでしょう。
冬場しか無理です。石積みだけしているわけではありません。連続して勉強は無理です。基本的に講師は、
最も難しい積み方である板石積み(立石積み)の
国内最高の職人である日浦がお教えします。
技術を覚えるにも、教えるにも、もう時間がありません。
庭師が正面から石積みに取り組んで来なかったから技術がもう廃れようとしています。
ブロックや土間コンの仕事ばかりしてないでどうですか?
大工、左官........なんで庭師は師なんでしょう?
特別なんでしょうか?
本来の師の意味はお先達(せんだつ)のことです。
先達ならなおさらです。
庭師はそもそも国家資格の○○師や○×士とは言葉の成り立ちにおいて
意味合いが微妙に違います。
食うためにブロックを積むんじゃなく、今の時代だからこそ食うために原点に戻ってみませんか!
なんでも屋百姓の井出よりの提言です。
すこしのことにも、先達はあらまほしき事なり
徒然草 吉田兼好
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