お客様から「ブロック塀に車が当たっちゃいましてね・・・」と、ご連絡がありお伺いした。
施工後約9年の塀である。
この写真の右側の用水路に飲酒運転の車の左前輪と後輪が落ちて、(カーチェイスさながらの)傾いた車体の側面から屋根にかけての部分が塀にもたれかかったまま、「ガガガガガ~」っと写真の左の位置から向こうの架橋部まで走行してやっと止まったらしい。擁壁天端の用水路側の角に車が擦れた跡がほとんどないことから、車の荷重はブロック塀にもろに架かったようだ。
ブロックには車の塗装が摩擦で焼けてこびりつき、さらに衝撃でところどころが欠けているが、塀そのものに傾きも一切なく、道路側また家側の側面の目地にクラックも見当たらない。
いやいや不思議、不思議・・・・ふつうは壊れるって!
下の写真は天端を見たところだが、写真の手前の方に経年による天端モルタルの離層がわずかにあるが、この位置からの眺めも(今回の事故の衝撃による)歪んだり傾いたりした形跡は無い。
(下記写真の道路の縁は車体の底が擁壁と擦れた跡が少しだけ白く残っているが、先述のとおり-ずどん-と落ちたところは瞬間的に車がかなり沈んだので白い範囲がやや大きいが、それ以降は白い部分が少ないので塀と車体の接触部分にかなりの荷重が架かったのではなかろうか)
いやいや不思議、不思議・・・・ふつうは壊れるって!
ここのブロック塀の基礎はI型で根入れは400mm、天端は水路兼用の擁壁と面イチにしてある。使用する鉄筋は縦ピッチ400mmのセメントの雰囲気下では100年以上錆びないHDG鉄筋。HDGは特注だから別に考えても、構造的には最低限の基準法施行令の一つ上のJASS準拠のI、T、Lのうちの最低レベルのものだ。
つまり下記写真の施工例よりは弱い構造のタイプ。(鉄筋の色が黒ではないのはHDG鉄筋だから)
まあ、でも、日本の施工の多くが基礎のないつまりブロックを半分から一枚程度埋めただけのものだからw。コンクリート製の基礎がある方が珍しい。特に大都市圏では基礎が無いものが多い。
さて、下の写真はある大手メーカーの現場のものだけれど。デタラメ施工の典型ね!
積ブロックは原則として土に接して(埋めて)使用することは明確に禁止されている。だから下の写真の施工などは基礎もないし、ただの積用ブロックを四段も積んで土留し、なおかつ一番上の横筋も途切れ途切れで全体の配置でも横筋も縦筋も少ないので違法(※ピンクの線は鉄筋センサーによる反応線)
この手の写真はよくエクステリア業者のブログにアップされてますね。ブロックメーカーのカタログにもね・・・・違法だけどw。日本中の全てのブロックメーカーのカタログの施工例写真は、まともな基礎無し、つまり積ブロック基礎もどきや積ブロック擁壁もどきの違法施工のオンパレードですw。
まあ、誰も気にしませんから・・・・デタラメ施工当たり前の業界ですから!
話をもとに戻します。
これが弊社の施工物件で初めての交通事故との遭遇であるが、とても有難いことにびくともしていない。
一般論でいうならば塀が倒れるなり、ブロックが飛散するなりしているのだろうが・・・・。
例えばもしこれが倒れていたら、通行人や少なくとも助手席の同乗者はただ事では済まなかったろう。
弊社は他所より丁寧な仕事をしているが、まあ普通はこの程度で済むことは無い。
色んな要素が絡み合い、この程度で済んだということだ。
有難い。
有難い。
まあ、いずれ来るであろう南海地震がこの程度で済むとはとても思えないが。
ただ・・・・・この補修をどうしよう。
中途半端に持ちこたえているから。
自動車の板金補修のようにはゆかないから。
やれ、困った。
困った。
現在日本ブログ村エクステリア、ガーデン部門で一応1位であります。しかしながらインポイント(面白いと下の囲いをポチしてくれる読者の合計)は、そろそろ2位に落ちそうであります。ということで・・・下のエクステリアの囲みをポチ。「押してやるかっ!」なんていわずにポチ。ありがとうございました。