その1とその2に続き、その3でございます。




先日、淡路島の風車倒壊現場での、「お上」らの調査が始まったと報道がありました。

下の写真をご覧ください。

この写真一枚だけでもいろいろなことがわかります。

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※毎日新聞より引用掲載

 まず、上の写真の青い矢印の先のあたりはもともと土に接して埋まっていましたから、土の色が染みこんでいます。さらに青い線で囲んだ部分(特に一番左の大きな囲いの中ははっきりとわかります)にも土の色が染みこんでいます。側面と同じ色ですからよくわかりますね。色がついているところはどこも鉄筋があり、かつ錆びた状態です。ここで考えられるのは、ちゃんと下のコンクリートの層とこの部分を打ち継ぎをする際に、「すべきことをしていなかったため」に、離層が徐々に発達して土(泥)がその間に入り込み、泥水が直接鉄筋に触れて発錆を促進したのだと思います。ですからここの色は一部が鉄筋の錆汁が流れ出たものもあるでしょうが、それはそれほど多くは無いと思います。まあ両方の色が似通っていますので・・・・。


 次に鉄筋が細い上に数が少ないですね。またかなり外に近い位置に配置されていますので所謂「かぶり厚さ」が確保できていません。「極めて非常識」な配筋だと思います。これでは耐久性に疑問が残ります。


 そして最後になりますが、写真の中央部・・・そう、基礎底面のちょうど真ん中に、ぼこぼごとしたコンクリートの小さな塊がありますが、これはこの下の先に打ったコンクリートが剥がれてひっついてきたものです。「全体的にみれば底はほとんどすべすべだけれども、ちょこっと吹き出物がある」といったような状態。これは打ち継ぎの際に脆弱な離層が発現した部分を機械的に分離した場合によく見られます。そういう事例は腐るほど見てきました。腐るほど・・・ハイ、離層が発現すれば鉄筋は腐食しますから・・・・。


 結論・・折れたコンクリート基礎のこの部分が、さらに下のコンクリートとちゃんとひっついていればこの面は全体的にガタガタになります。そういうことで最初からやっぱりひっついていませんでした。ならば倒れて当然です。誰でもわかりますね。あたり前ですね。

さて、「お上」の調査委員会の報告はどうなりますでしょうかね!


 前回のブログでも書きましたが「脆弱層(ぜいじゃく)の適切な処理」の問題について深く追求すれば、日本の土木、建築業界は総崩れになります。全ての物件の全ての離層発現の恐れのある箇所を100%適切に処理している業者などは、日本に例え居たところで数百万業者中に最大ひとつかふたつ・・・やっぱり触れるのは難しいでしょう。 まあ、仮に報告書に書いたところで、人の噂も七十五日・・・てなもんでしょうか。


 読者の皆さんの身近なところで言えば、家の基礎の捨てコンからはじまり、ブロック塀まで全く離層の発現のない家などこの国にはほとんど存在しないと思ってください。
まあ・・・コンクリートを使わなければ関係ないですが

この家みたいに・・・・
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版築基礎のブログ

http://shoenda.blog.jp/archives/28205877.html

だからといって不具合が必ず何か目に見える状態でおこるわけではないですが・・・まあ、程度が過ぎるとこの風車のようになるということです。





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