本当に久しぶりのブログですw

 では、早速前回に引き続き時分柄(じぶんがら)ブロックの話題を・・・。



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 あるお客様宅のブロック塀の写真である。お隣とはブロック塀の真ん中が境界なのだが、お隣に家を新築するにあたって、ほんの数ヶ月前に断りもなく建築関係業者が、4段のブロック塀に一段積み増しして5段にしたそうだ。

 断りもなく施工するなんて・・・・・。でも、この1段積み増した施工費は建築業者から請求はなかったようなので、特に文句をおっしゃられなかったそうだ。まあ、とりあえず費用負担無く5段になったことだし・・ね。


 しかしながら実はこの5段目のブロックには鉄筋は一切入っていない。現実的に4段で出来上がった塀の縦の鉄筋に、あとから5段目用の鉄筋を接続することはまずありえない。もちろんやろうと思えば出来なくはないが、ブロック塀用の細い直径約10mmの鉄筋の場合は、クランプではなく溶接によるしかないのでなかなかに面倒である。 
 
 で・・・・まず誰もやらない。


 結果、この塀の最上段には鉄筋はナッシングである。当然強い地震に遭遇すれば、この一番上のブロックは吹っ飛んでゆくだろう。



 手間をかけて既存ブロック塀のなかのモルタルを取り除き縦筋を露出させたのち、鉄筋の発錆状況を確認し、問題がなければ接合部両面5cm以上の長さでもって溶接(片側のみならば10cm以上)することを除いて、原則として既存のブロック塀にあとからブロックを載せて高さを上げることはできない。 



 だからブロック塀の縦筋の溶接など99.999%この国ではやらない。

 弊社はやるけどねw。

弊社において積み増しは過去数例のみ。全て私が溶接した。ただし全て施工中に段数を一段増やすことをお客様が要望されたので、この写真のように古い塀ではなかった。なお弊社の鉄筋は全て錆びないといってよい程の超高性能なHDG処理した鉄筋なので、そのまま溶接したら大変なことになる(火を噴く。煙もうもう火がボワッ!)w。

※専門家の方へ:ブロック塀で一般的なD10は29-A材である。つまりSi,C,Mnの管理また保証は無く、そういう意味では29-A材に対しての溶接はグレーゾーンである。そこを厳格に適用するならば溶接は不可である。よって杓子定規にそこを突くなら、国内のブロック塀に使うほぼ全ての鉄筋が29-A材である以上、どのような方法を用いようともブロック塀の積み増しは出来なくなってしまう。



 このデタラメの塀を造ったのは地元を代表する建築関連企業!

 酷いもんだ。

 何も変わらないよ。この国は。

 違法な手抜きをしても報道も検挙もされない。やったもん勝ちである。

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