※ こちらで用いているスウェーデン(式)サウンディングについては最近呼び名が変わっているのですが、まだまだ従前の呼称が一般的ですので、そちらを用いて当ブログは書いております。





先日、愛媛の地場大手のテレビコマーシャルをバンバンやっている地盤調査会社で不正があったと、テレビや新聞が報じていた。二十歳の若い社員がやったと・・・・まあ折をみてここで書いてみようと思う。




 

 さてこれまた先日のこと・・・・仕事で伺った住宅団地にてある会社が地盤調査をしていた。真面目そうな青年が暑い中ただ黙々と・・・・。


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     まずは測定機を載せる車体(ボディ)から・・・・

 このボディは偶然弊社でも構内ダンプとして使用しているS社の同じ形式のもの。社名が変わる前は頑健で素晴らしい車体だったけど、今や国内製造から某国製造に舵を切り、同業のW社やKW社に比較して微妙なボディ・・・かな。まっ今のは中古でかなり安かったから買っただけ。


 次、ボディに載せる本題の測定機・・・

 ブログを書く前にこの測定機の製造及び架装メーカーを調べたところ、なんと東証一部上場企業であった。
 
 しかしながら探し出したこの機器のマニュアルには、なんと荷重確認には家庭用のアナログヘルスメーターにドリル(ロッド)を載荷し、0.5kNと1.0kNを確認すると記載アリ・・・マジか!

 マニュアルには風呂場の体重計にドリル(ロッド)を載せて、クソ真面目に確認している写真が載ってましたわwwwwww

 で、そのデタラメ機でテキトーに計測された値でお客様は悲喜こもごも・・・で、最終的には家が建つ・・・しかし、JISもクソもない・・・精度が論外のヘルスメーターなんて冗談だろ!こんなのお客様に言えんだろ。

 作る人間も使う人間も
風呂場の体重計使っておかしいともなんとも思わんのだろうか!


住宅メーカー敏腕建築士

「ここの数値はですね~ JISに則った最新鋭の機械で測定しました。では説明します。あれこれ しかじか・・・」

お客様

「(心の中で)何のことやらさっぱりわからんが、信頼する敏腕建築士の言うことだから信じよう」

敏腕建築士
 「結果報告は以上です。ということで地盤改良に250万必要です」

お客様
 「えっ・・・・に・・ひゃく・・・」

敏腕弁護士
 「ハイっ・・・・JIS最新鋭機で測定した結果の結論ですっ(`・ω・´)」





風呂場ヘルスメーター荷重精度確認だけど(-_-;)(-_-;)・・・・・そんなこと住宅メーカーは知りませんから。






脱線復旧・・・・  
 

 




 
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 では、上の写真・・・このお風呂場ヘルスメーター荷重精度確認サウンディング機wは、調査地点までの移動において幅員の制限を出来るだけ受けないよう、悪い方の工夫が施されているw。軽量な機材に関わらず、アウトリガー(二枚下の写真参照)が履帯(俗にいうキャタピラー)より少しだけはみ出ているだけである。拡幅機構もなく、家を建てるときに使う足場のジャッキベースを使用した上下移動のみのおもちゃみたいな固定脚である。まあそれでもこれはあるだけましで、そんなもん無い機材は日本中にゴロゴロ。勿論この機械のレベルでは悪名高い西条市や新居浜市の川石ごろごろ地盤(※1)では石とドリル(ロッド)の摩擦(噛み込み)によるスリップ(噛み込みの場合はロックとも言えるw)で当然軸線が鉛直(えんちょく、重力の方向 垂直)でなく傾いてくる。また今の状態でもベースにアンカーホールがあるのだから、せめてアンカー打ち込みをすれば作動時安定性が向上するのだが、そんな他の業界では当たり前の発想さえこの業界には無い。ロックがおこれば当然車体は僅かでも回転する。そんな測定で得られた数値に正確性は担保されない。まあ一般住宅なんて建築費が数千万だろうが億に達する豪邸だろうが、どのみちサウンディング式地盤調査なんてこんないい加減なおもちゃみたいな機械で日本全国結構な割合でやっているんだから、空いた口が塞がらない。

 風呂場体重計で精度確認するけど、なぜかJISに則った最新の機械でござんす・・・・だのなんだのええことだけ言ったところで、日本で使われているスウェーデンサウンディングの機材なぞ現状の日本の使用方法においては、どうやったところで使える条件が極めて限られる。正確性はほぼ担保されない。愛媛で言えば西条や新居浜また四国中央各市の大部分では本来使用できない・・・・使用してますけどw

 ※1 西条市や新居浜市の「川石ごろごろ地盤」・・・こんなところどうやってサウンディング式で正確に測るわけw 測ってるけど・・・・数値偽装しましょかねwwwwww
 DSCN5769






 さてさて・・・そのサウンディング式で梅雨明け後全く雨の降らなかったこの瀬戸内沿岸である場所を測った値と、その後嘗てない豪雨となったこの八月中旬で同じ場所を測った値と・・・もしやれば・・さてさてどういうことになりますかな。いつ測った数値が真の値なんでしょね。実際正解なんてそんなもんあるんでしょうか? 

「えぇ条件から悪い条件まで条件がころころ変わる場合にゃ、できるだけ悪い条件でどうなるか記録をとらんと、お百姓さんが泣くで~」と、私は小学生の時、小松菜の発芽実験の温度設定について担任の故越智敏男先生(偶然私の母の中学の担任でもあるw)から教わった。
 

 そういうことで本来の地盤調査の趣旨からいえば、カラカラ天気続きで測ったってしょうがないでしょ。雨天が何日も続いた土壌が水分をたっぷりもっている状態で測るのが当然ですよね・・・・



 それに関しては一定の深度の土壌を採土後(ほぼ)絶乾にすることで正確な水分量を測定できるが、より簡便にははテンシオメータ等にてその地域の土壌のPF値の傾向を知り、蓄積を図ることで説得力のある数値がお客様に提供できるのだが、そんなことはデタラメばっかりの建築業界は頭の片隅にも無いだろう。

 

 ふ~っ・・・・


 家を建てる金で精一杯と言えば、池を埋め立てた土地でも「数値がすごく良いですよ。そのまま建てれます!」

 かたや「このお客さん金を持ってるぜ」と住宅メーカーに知られたら、ガチガチ地盤でも、あらなぜか悪い数字で「うーん、こんな杭がいっぱい必要ですよ。数百万単位ですよ!」だって・・・・毎度ありッ!


 ハイ、脱線復旧!


 まともな四点式のアウトリガー(wikipedia)より引用↓

 アウトリガー
  

 
重量の軽い機械で、作動時にもドリル(ロッド)の垂線(鉛直)を保持し少しでも正確な値を得るには、上の写真の如く履帯を完全に地面から浮かせ、遊びの少ない(無い)頑丈な拡幅(拡張)式の四点アウトリガーでアンカーを打たないとダメです。そうしないとロックした際にクラッチがフリーになる時間差で機体が振れます(※2)。もちろんより望ましくは拡幅でなく頑丈な固定式で且つ四点の軸間距離が長いものです。アウトリガーさえもない機械やハンドで西条等のゴロゴロ石ころ地盤を調査しているのを見かけますが、こんなのは最初から詐欺みたいなもんです。

※2 本来ロッドの起動モーターのクラッチがロックされるような石ころだらけの地盤をサウンディング式で測ること自体が異常なのですが、この国ではそれが正常です。
 


 残念ながら小学高学年にでもわかるほどの簡単なデタラメが、大人になると理解できる人がほぼいなくなるようです。「専門家のやってることは確かなんだ」という思い込みや忖度によってね!





 そうこうしているうちにドリル(ロッド)が所定の深さに達し、数値がとれたので引きあげます。
はい・・・・ドロドロと泥があがってまいります。当たり前です。この下は泥がもともとあるんですから。それを埋め立てたんですから。

DSCN5759



DSCN5763

 これね…最後まで見ていると東日本大震災時の液状化のあのテレビの映像そのまんまですわ!
 


 調査している青年に聞いてみました。

 「ここに自分の家を建てようと思いますか?」


 「いやぁ~・・・」

 と、彼はヘルメットの上から頭をかいた。

 地盤調査の闇は深い!



 終わり。 

 ブログの更新間隔がかなり開いてしまい、現在日本ブログ村エクステリア、ガーデン部門でつるべ落としのようにランキングが陥落中であります。ということで・・・下のエクステリアの囲みをポチ。「押してやるかっ!」なんていわずにポチ。ありがとうございました。

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